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【レポート】「今日から日記をつけてください。それをどこかに忘れましょう(笑)」『すれ違いのダイアリーズ』

2015/10/13

 

レポート by したコメサポーター 桑原隆彰

写真 by したコメサポーター 佐藤啓二

 

特別招待作品『すれ違いのダイアリーズ』は、会場である東京国立博物館 平成館にニティワット・タラトーン監督をお招きしてのトークショー付き上映となりました。


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本編終了後、したコメサポーター谷村浩さんの呼び込みで、今回トークショーの進行役である映画評論家・松崎健夫さんが登場。監督は現地で「トン」というニックネームで呼ばれているという事で、トークショー中は「トン監督」とお呼びすることになりました。


映画祭初日のレッドカーペットでは黒のスーツをバシッ、と着こなして歩いた監督でしたが、この日はデニムシャツに黒のパンツ、スニーカーを裸足で履くというラフなスタイルで登場。


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監督は今年に入ってから日本に来たのは3度目、通算で10回目になるそうです。
親日家である理由の一つとして、タイのテレビで流れていた日本制作のテレビ番組をこどもの頃からよく観ていて、それに影響された部分も多いということでした。


マンガではあだち充作品、アニメでは『ホーホケキョ となりの山田くん』が好きだという監督(レッドカーペットでは大場しょう太チーフDから、今回コメディ栄誉賞に輝いたビートたけしさんの番組「風雲たけし城」が好きだと紹介されていました)。
また日本ではSuica(交通系ICカード)の便利さにも感心していました。


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※レッドカーペットでのご様子。


本作は「タイにある水上学校の話」「知らない人同士が日記を通じて恋に落ちる」という2つの実話が元になっていました。


水上学校のモデルはタイ北部のダム湖に存在していたそうです(撮影に使われたのはケーンクラチャン国立公園)。
タイでは珍しく、教育上の必要性(近くの学校へ行くにも何時間もかかる)から生まれた学校で、そこで暮らしている漁師のこどもたちは、そこに先生がいなければ学習のしようがないという状況を、映画のテーマとして取り上げたそうです。


そしてびっくりしたのは、本作のプロデューサーの友達の男性が職場を移った時、自分の机の引き出しに、前に働いていた女性の日記を見つけ、その日記を読んで気に入った男性が実際に前いた女性に連絡を取り、その後本当に結婚してしまった、という話をモチーフにしていたことでした。


「今日から日記をつけてください。それをどこかに忘れましょう(笑)」


終始笑顔を絶やさない監督からそういわれた観客は、温かい笑いで応えていました。


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ラブロマンスの部分については、現在はタイでも携帯電話やインターネットの普及により、昔のような「思いを募らせる機会」が無くなっている、ロマンティックな瞬間が無くなっていると感じたそうで、原題である「キットゥンウィッタヤー」というタイトルは「思いを募らせる学校」という意味だそうです。


また恋というのはお互いの顔だけではなく、それぞれの考え方への共感で生まれるのではないかと考えたということです。
自分の考えを綴る手段として日記やfacebookがありますが、日記は自分自身へ向けて書くもの、facebookは他人に見せるために書くものという違いがあり、日記は今の人たちにとって親しみが薄くなっているから、そこに魅力を感じたという事でした。


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その後も主演の二人についての話や撮影時の苦労話を語り、観客からの質問に答えていたところで残念ながら時間が来てしまい、フォトセッションへと移ったのですが、その途中監督が「実は今日は脚本を書いたスタッフの一人が来ているんですよ」と最前列にいた方を紹介すると場内からは「おおっー」という歓声があがり、この映画に満足した事を盛大な拍手で伝えました。


上演後もロビーでファンからの写真撮影やサインに快く応じていたトン監督。是非また来日して我々に元気な姿を見せて欲しいと切に願います。


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★監督のトークショーの模様は、したコメUSTのアーカイヴス(http://www.ustream.tv/recorded/73827350)にて全編を視聴する事が出来ます。


関連プログラム:
『すれ違いのダイアリーズ』

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