レポート by したコメサポーター 服田恵美子
写真 byしたコメサポーター 大桃一総
全米ナンバー1もすごいけど、中国ナンバー1もすごいぞ!
しかも中国映画史上ナンバー1の興行収入を記録したというのだから、
いやがおうにも期待は高まります!
『ロスト・イン・タイランド』、低予算にも関わらず口コミで面白さが広がり、
ついには中国映画史上でトップになりました...なんて、そんな映画みたいに
上手くいく話があっていいの?と思ってしまいますが、いいんです!
期待を裏切らないどころか、はるかに飛び越える面白さだから、いいんです!
(大事なことなので2回言いました)
ストーリーはコメディの王道、タイを舞台にした3人の中国人の珍道中です。
この男たちのキャラが立ちまくり!
主演と監督・脚本・プロデュースも兼ねるシュー・ジェンはクールな出来る男ながらも、
仕事に熱中するあまり家庭を顧みず、離婚の危機に瀕しています。
開発に成功した強力ガソリンで大儲けしようと、タイに滞在する大株主の同意を
取り付けるべく、バンコクへ向かいます。
タイまで追いかけてくるライバルのガオを演じるのは、中国でダントツの人気を誇る
俳優ホアン・ボーです。
ターミネーター2のT-1000か?というほどの執拗なストーキングには感心さえします。
そしてもう一人、物語をひっかきまわす役割を担うのがワン・パオチアンです。
トラブルメーカーとして100点満点の活躍ぶり!
空気の読めなさ、好意から来る迷惑な行動、純粋ゆえの頑固さ、どの要素も無理なく
効果的に物語を動かしていきます。
通信機器の故障(ワンのせい)で、大株主がタイのどこにいるのか分からなくなって
しまい、3人はわずかな手がかりをもとにタイを駆け回ることに。
一見むちゃくちゃに見えるワンの一連の行動は、実は伏線にもなっていたりして...
2回目に見たら最初からうるっときますよ!
上映後に行われたトークショーには、ホアン・ボー主演の日中合作リメイク映画
『101回目のプロポーズ』プロデューサー、細貝康介さんが登場しました。
中国映画の現場に詳しい細貝さんによると、中国人はコメディが大好物だとか。
「ロスト・イン・タイランドは、めちゃくちゃ面白い!現地で大騒ぎしているのは
分かっていたけど、見そびれていた。今回見れるのがすごく嬉しくて。
こんなに面白かったんだとびっくりしました。アメリカのコメディの良さを
勉強していると思う。ベタな笑いをきちんと押さえているのが気持ちいい」
と作品のクオリティの高さを語ってくれました!
中国で本作が爆発的ともいえるヒットを飛ばしたのは、映画に笑いを求める
土壌と、作品自体が持つ力の相乗効果なのかもしれませんね。
コメディ要素満載の破天荒なドタバタぶりの中に、ひとしずくのペーソスが加えられ、
スカッと面白いのに心温まるというお得感が味わえます。
もちろん会場は爆笑と大拍手で作品を讃えました!!
日本公開は未定ですが、いつか「ロスト・イン・タイランド」というタイトルを劇場で
見かけたなら、間違いなく必見!のお勧めです!!
プログラム:特別招待作品 『ロスト・イン・タイランド』